はあ~~、お呼びですかぁ~~

白衣の堕天使のぼやき

季節はずれの・・・お話

こういう仕事をしていると、いわゆる「心霊現象」に遭遇する事がある。
私が初めて「霊」を感じたのは祖父が亡くなった時。深夜0時頃に階段を登ってくる音を聞いた。母はその時、黒い影がじっと立っているのを見たというが、私は見えなかった、というか怖くて布団をかぶっていた。
私はそれから、そういう現象とは縁がなかったが、私の長男は小学生の頃から家のあちこちで目撃していたらしい。私がある病院に勤務してからは、心霊現象を感じる能力が開花してしまい、怖いなどという暇もないくらい、よく目撃もしたし、仕事中に袖を引っ張る、勝手に水道を出すなどのいたずらにも逢ってきたが、怖いとは感じなかった。
誰も居ない部屋からナースコールが鳴るなんていうのは、初歩の現象だ。
変な霊がついてきて、腰痛になったり、不眠になったり。広島の原爆ドームに行った時はいきなり雷雨になり、家に帰っても、大勢の霊たちのざわざわした声が聞こえて眠れず困った事もある。
一般に「幽霊」や「悪霊」など、怖がられているが、今まで出会った中で一番怖いのは、やはり、生身の人間。これが一番怖い!直接危害を加えてくるからだ。
今でも、昼夜を問わず、一瞬視界の端に人が見え、見直すと居ないとか、夜車の窓から見えたはずの人が通り過ぎる時には居ないとか、いつかは、昼間勤務先の病院で階段を上がりきった所に人が居て、あわてて後に下がろうとしたら、消えたなんて事もあった。
心霊現象には、季節は関係ないようだ。

よく、ネコが天井のあたりをじっと見ている事があるけど、動物は人より霊を見やすいのかもしれない。

おおぼけ、こぼけ

現代では、認知症(いわゆるボケ)がみんなの関心を集めている。
高齢化社会だし、自分の祖父母はもちろん、両親も、いずれ自分も・・。
生命保険に「認知症」の保険ができている。多くの生命保険はガンや病気入院などを保障する目的なのだが、「認知症になったら・・・」といううたい文句で各社が保障内容を競っている。
私が出会った「ぼけ」さん、共通するのは
「記憶がなくなる」
「痛くない=痛みに対する認識がない」
「夜間に症状が悪化」
「妄想(物を取られた、殺される、悪口を言われているなど)」
「有効な治療法がない」なのだが、
今居る「おおぼけ」さんは、人格が崩壊してきている。
ご飯の食べ方(箸を使う事、スプーンを使う事)がわからない
トイレに行っても、どうやったらいいかわからない
そのうち、「高齢の威圧的な男性」「少年(僕という)」「獣のような唸り声を出す動物」「本来の自分」と4種類の人格が出たり、入ったりする。色々認知症は見てきたが「多重人格」が出たのは初めての経験。ちょっと映画みたいで怖い面がある。
「いやだ、する必要はない。」と治療を拒否したり「僕のお母さんの形見なんだよ」と大事そうに歯ブラシを持っていたり、それが数分毎から数時間毎に入れ替わるのだ。
当然、表情も変わるし、声も変わる。ホント、ホラー映画を見ているような感じ。
精神科に治療はゆだねる事になるが、どうやって治すんだか・・。オオカミみたいな唸り声を上げてる時は、なんとも対応ができなくなる。すべては人間の「脳」の問題なのだろうが・・・「悪魔が憑いた」「狐憑き」なんて言葉がよぎる。
「悪魔祓い(エクソシスト)」や「除霊、お祓い」なんてな事が有効なんじゃないかとも思えてくる。さあ、おおぼけさんのこれからはどうなるのか??

本物のオオカミは精悍でカッコいい!!

孤独死

数年前、我が家の北側にある、昔ながらの長屋の一室に老夫婦が住んでいた。何年も前に駆け落ちをしてそこに二人で住みついていたが、とても良い人たちだった。先に奥さんが亡くなったが、駆け落ちして逃げてきていたため、誰も身寄りの人は来なかった。ご主人が一人で看取り、埋葬などもされたようだった。
ご主人の仕事は「占い師」だった。よくスーパーなどの店の前で占っていたようだ。
私の母がよく話をしに行っていたが、母が入院したりしてからは、疎遠になり、いつか存在を忘れるほどになった。
ある日、私が自宅二階のベランダで洗濯物を干していたら、一台のワゴン車が隣の駐車場前に停まった。車からは2人の男性が出て、駐車場の向こうにある長屋の方に行った。しばらくすると、テレビのサスペンスに出てくるような、グレーのシートの両端を男性二人が持って、ワゴン車の荷台に乗せていた。重そうなそのグレーのシートの中身は・・・そう、死体。あのご主人が長屋の裏のエアコンの室外機と隣接する住宅との間で亡くなって、数日たっていたらしい。誰にも看取られる事なく、静かにあの世に逝った。ご遺体がどうなったのか??その後、その長屋は住人が誰もいなくなったので取り壊され、更地となった。
昨日、訪問ヘルパーをしている、私の旦那が、正月3が日の休みのあと、いつも訪問している30代男性(難病で車いす生活)にメールを送ったが返事がない。電話も出ない。「たぶん、どこかに出かけているのだろう」と思ったが、翌日になっても連絡が取れず、訪問したところ、室内で亡くなっていた。とりあえず、110番したが、「まずは119番せよ」と言われ、あわてて119番。消防隊は「とりあえず、到着するまで心臓マッサージしてください」との事、「え、もう死んでますけど?」といっても「とりあえずです」と譲らない。しかたなく、そっと胸を押したが、もう体は死後硬直が始まっていて(死後硬直が始まったのか、硬直が解けてきたのかは不明)、なんだか体が固まっている。数分後、消防隊と警察がやってきて、消防の「〇時△分、死亡確認」の掛け声で、警察が検死を始めた。
旦那は訪問ヘルパーの事務所が休みなので、担当のケアーマネージャーに連絡したり、アパートの管理会社に電話したり・・・あわてていて携帯を落として壊してしまい・・となんだか相当大変だったようだった。この30代男性は身寄りがなく、遺体は警察が、また例のグレーのビニールシートに入れて、連れていったそうだ。
テレビや雑誌などで、「孤独死」はよく話題になるが、結構身近であるもんだ。
人間、いつ死ぬかわからない。やはり、最期の準備はしておく方がいいようだ。

これはビオ神父という人で、数々の奇跡を起こしたと言われている神父。この方は聖なる人として、ご遺体は(処理をされているのか)現在でも生前のお姿のまま、安置されているそうだ。