はあ~~、お呼びですかぁ~~

白衣の堕天使のぼやき

孤独死

数年前、我が家の北側にある、昔ながらの長屋の一室に老夫婦が住んでいた。何年も前に駆け落ちをしてそこに二人で住みついていたが、とても良い人たちだった。先に奥さんが亡くなったが、駆け落ちして逃げてきていたため、誰も身寄りの人は来なかった。ご主人が一人で看取り、埋葬などもされたようだった。
ご主人の仕事は「占い師」だった。よくスーパーなどの店の前で占っていたようだ。
私の母がよく話をしに行っていたが、母が入院したりしてからは、疎遠になり、いつか存在を忘れるほどになった。
ある日、私が自宅二階のベランダで洗濯物を干していたら、一台のワゴン車が隣の駐車場前に停まった。車からは2人の男性が出て、駐車場の向こうにある長屋の方に行った。しばらくすると、テレビのサスペンスに出てくるような、グレーのシートの両端を男性二人が持って、ワゴン車の荷台に乗せていた。重そうなそのグレーのシートの中身は・・・そう、死体。あのご主人が長屋の裏のエアコンの室外機と隣接する住宅との間で亡くなって、数日たっていたらしい。誰にも看取られる事なく、静かにあの世に逝った。ご遺体がどうなったのか??その後、その長屋は住人が誰もいなくなったので取り壊され、更地となった。
昨日、訪問ヘルパーをしている、私の旦那が、正月3が日の休みのあと、いつも訪問している30代男性(難病で車いす生活)にメールを送ったが返事がない。電話も出ない。「たぶん、どこかに出かけているのだろう」と思ったが、翌日になっても連絡が取れず、訪問したところ、室内で亡くなっていた。とりあえず、110番したが、「まずは119番せよ」と言われ、あわてて119番。消防隊は「とりあえず、到着するまで心臓マッサージしてください」との事、「え、もう死んでますけど?」といっても「とりあえずです」と譲らない。しかたなく、そっと胸を押したが、もう体は死後硬直が始まっていて(死後硬直が始まったのか、硬直が解けてきたのかは不明)、なんだか体が固まっている。数分後、消防隊と警察がやってきて、消防の「〇時△分、死亡確認」の掛け声で、警察が検死を始めた。
旦那は訪問ヘルパーの事務所が休みなので、担当のケアーマネージャーに連絡したり、アパートの管理会社に電話したり・・・あわてていて携帯を落として壊してしまい・・となんだか相当大変だったようだった。この30代男性は身寄りがなく、遺体は警察が、また例のグレーのビニールシートに入れて、連れていったそうだ。
テレビや雑誌などで、「孤独死」はよく話題になるが、結構身近であるもんだ。
人間、いつ死ぬかわからない。やはり、最期の準備はしておく方がいいようだ。

これはビオ神父という人で、数々の奇跡を起こしたと言われている神父。この方は聖なる人として、ご遺体は(処理をされているのか)現在でも生前のお姿のまま、安置されているそうだ。